うみうしの下書き ~清書はこれから~

今日中に下書きします、先生!

Waldeinsamkeitというドイツ語に思いを馳せる

前に「翻訳できない世界のことば」という本を買って読んでみたと書きました。

 

www.umiushi-shitagaki.com

 

他の言語には相当する言葉がない、その言語特有の言葉を紹介した本です。その本の中に、気になる言葉があったので、思いを巡らせてみます。

 

1.Waldeinsamkeit

"Waldeinsamkeit"は「森の中で1人自然と交流する時の、ゆったりした孤独感」という意味のドイツ語です。「ヴァルトアインザームカイト」と読みます。さすがドイツ語、響きがかっこいい!

 

独和辞典によると、"wald"が「森」で"einsamkeit"が「孤独」という意味らしいです。無理やり英訳すると、"forestloneliness"ですかね。日本語だと「森林孤独」…いや、「森林ひとりぼっち」と訳すほうがいい感じに聞こえるかな?うーん、やっぱりドイツ語じゃないとしっくりきませんね。

 

2.Waldeinsamkeitの世界観

みなさんは"Waldeinsamkeit"という言葉とその意味を読んで、どんな情景を思い浮かべましたか?私は、晴れた日にドイツの森の中でドイツ人が1人、木々のざざめきを聴きながら物思いに耽る姿が思い浮かびます。

 

ドイツ語圏の人の考え方はよく知りませんけど、この言葉から察するに、ドイツ語圏の人は森や孤独に対して怖いイメージをそんなに持ってなさそうですね。グリム童話だと森が怖い感じがしますけど、それとこれとは別なんですかね。あとWaldeinsamkeitの孤独感はいい意味で使う感じですよね。その感覚はわりと新鮮です。自然や1人の時間を大切にしてきたんだろうなと想像できます。森の中で孤独を楽しむ考え方が素敵です。

 

自然に囲まれた時の自分がちっぽけに感じるあの感覚や、自然の中にいてふとした時に寂しくなるあの気持ちも、"Waldeinsamkeit"という言葉の中に含まれている気がします。自分の小ささを受け入れた上で自然と触れ合い、ゆったりと孤独を楽しむ…なんだか全てを悟っている感じがして深いです。

 

3.Waldeinsamkeitが日本語にない理由

"Waldeinsamkeit"に相当する言葉が日本語にない理由を考えてみました。

 

まず1つ目の理由に、森に対するイメージの違いがあるんじゃないかと思います。私は森というと、もののけ姫に出てくるような薄暗くて鬱蒼とした森を思い浮かべるんですけど、みなさんはどうですか?

 

人によって多少イメージは違うかと思います。でも日本の森と言えば、もののけ姫の森!となりますよね。明るいイメージは、あまりないように思います。なので森の中で1人ゆったり孤独を楽しむ日本人は、想像しづらいです。日本では森=険しい場所なんじゃないでしょうか。そんな場所でゆったり孤独を味わうなんて、できないですよね。

 

2つ目の理由として、孤独の捉え方の違いもありそうです。集団の中の自分を重んじる日本では、昔から孤独は良くないとされがちですよね。世捨て人や仙人みたいな人は別として、一般的には孤独感にゆったり浸るという概念が浸透していないのではと思います。

 

そう考えるとドイツ語圏では孤独を感じることを良しとしていることになりますけど、やっぱり日本と比べて個人を重視しているからでしょうか。個人重視なので孤独の全てが悪いことだと一括りにしていなくて、自然の中で孤独にゆっくり浸るのは良いことだと考えているのかなと。ドイツに留学したことのある人が、ドイツでは自分の意見がはっきり言えるようになって一人前みたいなことを言っていたので、周りの空気を読むことより自分の気持ちと向き合うことのほうが大切にされていそうです。そうなると1人になる必要が出てきますね。1人で考え事をしたくなったら、ふらっと森へ出かけるんですかね。

 

4.ドイツの森と日本の森

ここまできてようやく「ドイツ 森」で検索してみました。写真を見る限り、やはり日本の森より明るい印象を受けます。のんびり散策したりして、孤独を感じつつも自然を楽しめそうな雰囲気です。"Waldeinsamkeit"という言葉が生まれたのも分かります。

 

ついでに「日本 森」でも検索してみましたけど、やはりもののけ姫の世界な写真が多かったです。神秘的で少し薄気味悪さを感じるような雰囲気で、ドイツの森とは違います。写真を見て感じたんですけど、なんとなく日本の森には畏敬の念を抱くので、ゆったり孤独感に浸れそうにないです。感じるとしたらガチの孤独感で絶望しそう…。

 

自然と密接に関わって大切にしているという点では相通ずるものがありますけど、森の雰囲気の違いが"Waldeinsamkeit"という言葉が生まれるか生まれないかの違いの一番の決定打になったように思います。環境が言語に影響を与えていて面白いですね!

 

うみうしの一言

"Waldeinsamkeit"っていい感じの言葉ですけど、読みづらいわ覚えづらいわで、外国語恐るべしです。でもドイツ語は、かっこよくて憧れます。こういう面白い言葉から興味を持って、言語を楽しむのもアリだと思います!